嗚呼、ドライビングターボ!

Essay

1983年、TOMYから発売された名玩具、「ドライビングターボ」
名前を聞いてわからなくても、この写真を見れば「あっ!あれか!」と思う方も多いはず。

ドライビングターボ

当時、親が廃人化を本気で心配したほど自分が夢中になっていたらしいこの玩具、長らく我が家の押入れで眠っていたのだが、
昨年誕生した甥っ子に30年の時を経て譲るのも素敵だなと思い、引っ張りだしてきた。

電源は今では希少とも言える、単1乾電池4本方式。
最近は単一を使う機会もなく、近くのコンビニまで買い出しに。

数十年ぶりの起動!スイッチとなっているイグニションを捻るも、全く動かず・・。
見ると、電池を入れる箇所の接点が錆び、くすんでいた。無理もない30年モノだ。
ヤスリでこすると、めでたく起動成功!

まず、エンジンを模した音が結構な音量でなるのに驚く。ビープ音ではなく、モーターの駆動音と思われる。
右手側にあるギアを前に倒すと、モーター音の高まりとともにぐんぐん後ろに流れ去る道路!
産まれた時からiPadに触れている、まさにデジタルネイティブの甥っ子、あ然としたのち、喜んで大絶叫。

子供の玩具なのにものすごいこだわり、クオリティーだ。
ギアと連動して変化する速度計、タコメーター、刻々と減っていく燃料、そして最高速で道路から外れないように走るときの最適にチューニングされた難易度。

1983年のこの製品を見ていると、日本の製造業が世界を席巻していったのも頷ける。
子供の玩具でも手を抜かず、いや、開発者自身が自らも心底楽しめるように設計したに違いない。

どん底で喘ぐ日本の製造業メーカーの経営者はぜひ「ドライビングターボ」に学んでみてはいかがだろうか?
世代、年代を超えて愛される製品のヒントが凝縮されていると思うのだ。

※ 百聞は一見に如かず。動画は以下に。






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