炎と水でスマホを充電!発電ストーブFlamestowerレビュー

BioLite
蝋地獄

去年の8月に注文した、発電ストーブFlamestower。
約一年の時を経て、ようやく手元に届いた。長かった・・。

Flamestowerは炎と水の温度差を利用して発電し、様々なガジェットにUSB給電できるのが特徴の製品。
アメリカのベンチャー企業が開発し、価格は$89.99(日本への送料$40.00)だ。
(ちなみに、製品化確定前に出資したので、特別価格として送料込みで$69.99で入手した)

1年待ったよ!

1年待ったよ!

火力で発電できるガジェットとしてはBioliteホームストーブなどが既にあるが(参考記事:小枝を燃やしてiPhoneを充電!BioLite CampStove哀愁レビュー)果たして実力やいかに?
早速レビューしていきたいと思う。

 Flamestower

Flamestower

本体は金属製のスタンド、水を入れる伸縮式のゴムカップ、加熱する金属板、USBケーブルで構成されている。
サイズは長さが500mlのペットボトルくらいの大きさ、重さは250グラムだ。

ipod touchと比較

ipod touchと比較

徒歩での登山なら、「持ってこうか?やめようか?」とちょうど悩むくらいのサイズ感・重さである。

カップを畳んだ状態

カップを畳んだ状態

ビローン

伸ばすとこんな感じ

この発電ストーブを使うには、「火」と「水」が必要だ。
水を入れるカップの容積は150ml。意気揚々と水を注ぐ。

いきなりの不満点。水を注ぐと自重で傾いてしまった。スタンドの可動部がゆるめなのが原因のようだ。
重心を考えて設置しないと中の水をぶちまけるハメになる。

足腰に爆弾を抱えている

足腰に爆弾を抱えている

僕はよく訓練された人柱なので、「ああ、こんなもんだよね。プロトタイプだもんね。」で軽く流したが、普通の人にとっては購入への大きな障壁となる。

さて、まずはロウソクで実験。
非常時、手に入るのは少しの水とロウソクのみ。そんな状況を妄想しながらロウソクに火を灯した。

大昔に買った無印良品のロウソク

大昔に買った無印良品のロウソク

ボボボ・・

ボボボ・・

ロウソクだと無理かな~厳しいかな~と半ば期待せずに実験を開始したのだが、意外にも10分程で給電が始まった。(使用したスマホはXperiaZ1)

ただし、熱する金属板の輻射熱でロウソクは溶け、机の上は蝋地獄。
また、今回は大型の蝋燭を使ったからそれほど気にはならなかったが、普通のロウソクだと溶けるのに従って、炎の位置に合わせてスタンドの高さを調整しなくてはならない。

ロウソクでの使用はあくまで「可能」なだけで、実用性は非常に低いと感じた。

蝋地獄

蝋地獄

続いて、登山用の携帯ストーブでテスト。

蝋地獄でちょっとビビったので、水に加えて消火器を用意した。

人柱といえど、自宅が全焼するのは避けたい。

人柱といえど、自宅が全焼するのは避けたい。

僕が10年来愛用しているのは、イワタニのジュニアバーナーだ。

アウトドア用の丸いガスボンベではなく、通常のカセットコンロと同じ規格のガスボンベを使えるので、登山、ツーリング、その他用途問わず大活躍のバーナーだ。
どんな僻地でも、街のよろずやで燃料が確保できる安心感は、何ものにも代えがたい。

さて、バーナーで同様に実験したところ、1分も経たずに給電が始まった。

バーナーなど高火力さえあれば、素早い給電が可能なようだ。

さて、総評だが、実用性としては首を捻らざるをえない。

室内で使用するには、ロウソクでは使い勝手が悪いし、本格的なバーナーを室内で使うと換気や安全性が気になる。
このガジェットで発電するのに最も必要なものは、「安定した炎」である。
家のガスコンロなら火力の調整も楽だが、非常時であれば使えない可能性もある。

屋外の焚き火を熱源にするにも、プレートの高さの調整が常に必要だし、それなら先行のBioliteストーブに一日の長がある。
また発電の為に熱する板が炎を遮る構造のため、煮炊きしながらついでに発電する、という用途には不向きだ。

目の付け所は非常に良く、面白い製品なのだが、まだまだ改良すべき点が多くありそうだ。
同時に、Bioliteキャンプストーブの出来の良さを改めて実感した次第である。

Bioliteストーブと組み合わせて発電天国を目指すも、そのままではスタンドの高さが足りず、無理なことが判明。

Bioliteストーブと組み合わせて発電天国を目指すも、そのままではスタンドの高さが足りず、無理なことが判明。






タイトルとURLをコピーしました