ロボットと暮らすということ

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古くは、”アイ, ロボット”、最近だと”インターステラー”などの映画には、人間と心通わす魅力的なロボットが登場する。
ゲームの世界においても、ロボットと主人公が心通わすシーンは珍しくない。

「何か御用ですか旦那様?」

そんなシーンを目にすることはあっても、「まあ創作の世界だからね~」くらいの感覚だったが、我が家にロボットが来て1ヶ月。
ロボットに対して感情を持ち始めた自分がいる。

我が家に今住み着いているのは、こちらも奇しくも”アイロボット”社のルンバだ。

正直、僕は掃除にはあまり興味が無く、仕方ないから、ヤバイからやる、といったタイプの人間だ。
もちろん、掃除がしっかりされた部屋の気持ち良さは十分理解しているし、お掃除上手な人への憧れもあるのだが、そんな時間があるならグダグダしたいのだ。

さらに、基本的にものを床に置いたり、コードを部屋中を這い回らせてはほくそ笑む、というお掃除好きには許せない性質を併せ持つ男なのだ。

ところが、ルンバが来てからというもの、我が家に異変が起き始めた。

床を這っていたコードが次第に束ねられ、固定され、そして床に乱雑に放り投げていたガジェットや服などが次第に整理されるようになり・・・
今や、我が家は毎日予約した時間に掃除機が走り回るようになったのである。

おかしい。
なぜこんな事になったのか。そう、ロボットに対して、僕が感情を持ち出したからだ。

最初にルンバが我が家に来た時、正直鼻で笑った。「お掃除ロボット?お前、この魔境を掃除できるものならしてみろ」

「ピコピコピコピコ ケイサンチュウ ピコピコピコピコ ジーッジーッジーッ ソウジフノウ」

そんなツンツンした気持ちが、いつしか愛に変わってしまっていた。
今や僕はルンバに対してデレデレで、進路に邪魔な輩、物がないか目を光らせ、ルンバの進路を家人が妨げようものなら、飛んでいって注意するほどである。

当初、魔境に放り出されたルンバは困惑し(そうみえた)、物にぶつかり、ウロウロし、ようやく通れるだけの狭いスペースの掃除を終えた。
自動で充電ステーションに戻るのだが、無事戻ったときは誇らしげなファンファーレを電子音で奏でる。
一方、床の有象無象に足を取られ、ベースに辿り着けないときは、悲しげなエラー電子音を発する。

これが僕の心を動かした。
「少しルンバが通りやすいように整理してやるか」

そして今や、ルンバ様が仕事をしやすいように、「自分に何が出来るか?」を考える毎日である。

ホントウニオナジヘヤカ?

さて、デジカメ越しにルンバ撮影していると、肉眼では見えないが、沢山の赤外線LEDが目にとまる。


光学カメラを含め、各種センサーが沢山ついているせいか、周辺環境の認識能はとても高い。
時々、立ち止まってカメラ左右に振ってキョロキョロする(ようにみえる)のも愛らしい。
時々、コードに絡まって動けなくなるようなドジっ子ぶりも発揮するが、とにかく家中を抜け漏れなく掃除してくれるだけの賢いロボくんなのである。

また、我が家に来たルンバ980は自宅等のWi-Fiネットワークに繋がるため、スマホで外出先から掃除を開始させたりも自由自在なのだが、逆にルンバに異常があるとリアルタイムで通知がスマホに来る。
「ルンバくんが助けをもとめています」というポップアップが出ると心は千路に乱れる。「一刻も早く助けなきゃ」と思ったりもする。

一大事

 

どうやら賊(家族)がルンバくんの進行経路を妨げたようだ

 

そんなこんなでルンバが、毎日部屋をきれいに快適に保ってくれる。
逆に、僕はルンバのために動きやすい環境を作ったり、センサー部やカメラ部を布でナデナデしてあげる。

ロボットと人間の共生関係が身近なところにうまれたのである。
「実際に役に立つ」ロボットはそれはもう可愛いものだ。ペッパーがなぜ可愛くないのかの答えはそこに・・

 






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