車のインターフェイスにはアナログスイッチとタッチパネルのどちらが良いのか?

Essay
タッチパネル・・

東京エレクトロン、という会社がある。
僕はこの会社が定期的に発行する「テレスコープマガジン」というWEBマガジンの大ファンだ。

大抵、企業のWEBの読み物はつまらないか、「CSR取り組んでますよ」アピールに終始していて読んでいてゲンナリしてしまうのだが、このWEBマガジンは違う。
毎回、様々な分野の先端技術が紹介され、各分野の第一人者へのインタビューや、おもしろい記事が満載で読み応え十分の内容だ。
年4回の発行なのだが、僕は楽しみにしていて、しょっちゅう「新刊出てないかな?」と見に行ってしまう。

さて、なんで突然こんな話を始めたかというと、Twitterである方の発言を見て、テレスコープマガジンの過去の記事を思い出したからだ。
その発言とはこれである。

たしかに・・

たしかに・・

某車

某車

僕はこんなブログを書いているくらいなので、先端技術や新しい機械に目がない。
長年使われて成熟した技術を軽視し、新しいものに飛びつく性癖傾向がある。
もし自分が車のインターフェイスの開発エンジニアだったら、タッチパネルを多用したであろう自信がある。
(もしかしたら、モーションセンサーを採用して、運転手を恐怖のどん底に陥れいたかもしれない・・)

過去に読んだテレスコープマガジンの記事、「スイッチ大全」にはこうあった。

スイッチと感覚

(スイッチの)この豊富なヴァリエーションは、スイッチにとって最も大切な、「操作を間違えないこと」という要請によってもたらされる。
操作用スイッチは、人間が主に手を使って、オン-オフの切り替えや回路の変更を行なうインターフェイスであるが、その操作を間違えないために、様々な表示や色、形、そして操作感が必要とされるのだ。

人間が操作を間違えないために、まず必要になってくるのは、機械の状態を確認できること。
(中略)

最後に、スイッチの設計においてもっとも重要な要素が、「操作感」という感覚的な領域のデザインだ。
スイッチをどのぐらい押して、どのぐらいの抵抗感がフィードバックとして戻ってくるか、これが操作感の決め手になり、機械のステイタスを確実に実感することができるようになる。

「ポチッとな!」

「ポチッとな!」

なるほど、説得力のある意見である。
実は、ここまで書いて、「だから車にはタッチパネルはダメだよ!」というふうにこの記事を〆ようと思っていた。
しかし・・

乗り物で最もシビアな操作が要求されるものといえば、最新鋭の戦闘機である。
車とは桁違いの操作量、そして命がけで限界の操作をする乗り物だ。
最後に、最新鋭戦闘機のF-35のコクピットを調べてみた。

タッチパネル・・

タッチパネル・・

F-35のコクピットの中心で存在感を放つのは、50.8×20.3cmのタッチパネル式大型カラー液晶ディスプレイだ。

もちろん、操縦桿やスロットルなどには大量のアナログ・スイッチが健在だが、操作系にタッチパネルが入り込んでいるのは事実だ。

さっきまでは「乗り物にタッチパネルの操作系など言語道断!アナログこそ至高!」と言おうと思っていた。
しかし今は、「なんでもタッチパネルはダメだよ。アナログの操作感を活かせる箇所はアナログのままがいいよ!」
とちょっとトーンダウンした結論で〆たいと思う。ブレブレ






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