今日は「対爆スーツ」のお話である。
数多くのガジェットブログがiPhoneだのEvernoteを使ったライフハックだの、スイーツなエントリーを量産する中、対爆スーツを語るちょっとイカれたブログ、それがAISAKEB.comである。
2010年のアカデミー賞を受賞した「ハート・ロッカー」。
とても女性監督の作品とは思えない、ハードボイルドかつ汗臭さすら漂う硬派な作品だ。
この映画のヒットで一躍有名になった対爆スーツ。
最近ではこのシーンにインスパイアされて、某ゆるキャラも真似する始末である。
平和な今の日本では、爆弾について真剣に考える事は少ない。幸せな事である。
しかし、わずか70年前には日本中に爆弾が降り注いでいた。
「兵器生活(ヘ イ キ セ イ ク ワ ツ)」というサイトがある。
このサイトは第二次世界大戦中に発刊された書籍や雑誌から当時の世相や兵器を考察しているサイトで、なかなか読み応えのある記事が集まっている。
当時の一般むけの書籍には爆弾による被害が特集されていたのである。
(詳しくは、「兵器生活」の記事[気を付けろ爆弾だ、これじゃあ道も歩けない]を参照されたし)
爆弾による被害は主に破片と爆風によって生じるそうだ。
誤解されがちだが、大型の爆弾には「対爆スーツ」は約に立たない。
対爆スーツが役立つのは、小型の爆発物に留まる。現に第二次世界大戦中の不発弾を処理する自衛隊の隊員の方は生身で爆発物処理に当たるという。
(参考記事: 日本版「ハートロッカー」:860キロ不発弾処理へ-対爆服は無用の長物)
対爆スーツとして最も有名なのは、アメリカ軍が使用しているMK5対爆スーツである。
総重量45Kg、お値段約400万円のごっつい装備だ。
ケブラー繊維と防弾プレートが内蔵され、頭部は完全機密構造で内蔵バッテリーを用いてフィルター付きの換気装置が付いている。
連続駆動時間は5時間。暑い地域では内部に水などを循環させる冷却スーツを着用するそうだ。
照明や無線装置等が付いており、手元のリモコンで操作できる。
最近では爆発のメッカ中国製の安価な製品も登場しているようだ。
残念ながら、爆発物の脅威は日本でも日増しに高まっているようである。
対爆スーツが活躍する時代が来ないことを祈りたい。