Dell VisorでVRをやりつつ思うこと

約7年ぶりにデスクトップPCを新調した。

DELLのXPS9100というモデルをグラボを変え、メモリを増やしつつ、騙し騙し使ってきたが、ここにきて越えられない壁が立ちはだかってしまった。

Microsoftが音頭を取って各社が作るHMD、Windows MRも出揃い、STEAMのゲーム等もそこそこ動くWindows MixedReality for SteamVRも登場。
とりあえずHMDだけポチるかと、スペックテストをしてみると・・。

「お前のPCじゃ動かねえから(笑)」

 

CPUでバッチリはねられてしまうという悲しい事態に。Core i7と言えど、旧世代では流石にVRには対応できなくなっていたのだった。

とは言え、湧き上がるVR熱も冷めやらず、結局、Windows MR用のHMD、Dell VisorとXPS8930というそこそこ良いPCをポチったのであった。
Corei7-8700、GeForce GTX 1060、16GBメモリ、256GB SSD+2T HDDというスペック、そしてHMD「Dell Visor」がセットで〆て約199,000円なり。

商売道具のPCではあるものの、お財布へのダメージは軽視できないレベルである・・。

そして、年明け。
先行して中国から、驚くほど巨大なパッケージでDell Visorが到着。

どうでもいいが、とてつもなく大きい箱に入って届く。思わず笑ってしまうほど大きい。

 

HMDとしては珍しい白いボディー。マットなさらっとした表面処理がされている。

 

「カオナシ」フェイス(矛盾)

正面には2つのカメラが付いている。
HTC VIVEやOculus Riftは位置を判断するために、別途赤外線センサであるベースステーションを部屋の隅に置くなど、設置の手間・スペースの確保、電源の確保など結構面倒くさいようだ。

しかし、Dell Visorをはじめ、windows MRのHMDはこのカメラだけで位置やコントローラーのトラッキングができる。
購入前は正直、カメラを使った認識だとラグが大きく、精度も悪いだろうとタカをくくっていたのだが、実用上まったく不満のない精度で驚いた。
FPS風のゲームをやっても、まったく不満がない。嬉しい誤算である。

コントローラの第一印象は「光るねぇ・・」だ。
トラッキング方法ゆえなのだが、他のVRの機器と違って、サイバー感は著しく高い。
ただ、その分バッテリーの持続時間への影響も大きい気はする。

これぞVR、って感じの外観。

裏面にトリガーがある。電池は単3×2本を使用。外部接続での充電はできず、電池を取り出して充電するしかない。

他のVRの機器同様、振動機能はあるが現時点では電源オン・オフ時にしか機能しない。
STEAMアプリ、Window純正アプリ問わずなので、今後対応していくのだろうが大急ぎで世に出した感はある。

先行して届いたDell Visorに遅れること1週間。ようやくPC本体が届いた。
(もちろん、届くまで電源のつかないHMDを被っては外しを繰り返しソワソワしていた)

最近のPCはUSB Type C端子が付いているのか..

 

さっそくVRの環境の構築に取り掛かるも、いきなり課題発生。
最近のグラボはDisplayPortがたくさん付いているのに、HDMI端子は一つしかないものが多い。

現在メインで使っているウルトラワイドのモニタはHDMI接続しかできないタイプ。
また、Dell VisorもHDMI端子を使うので、どちらかをDisplayPortに変換しなくてはならない。

とりあえず、Dell VisorはグラボのHDMI端子に接続し、モニタは手持ちのHDMI→DisplayPort変換コネクターを使用して接続したのだが、最大解像度1920×1080までしか認識できず。
続いてDell Visorに変換コネクターをかまし、DisplayPortに繋げたのだがこちらは認識もせず。

結局はアマゾンで高解像度対応の変換コネクターをポチってつなげたところ、無事、解像度2560×1080のモニタをDisplayPortに接続できた。

VRを導入する場合、HDMI端子の確保は事前に気に留めておいたほうが良さようだ。

さて、接続の儀は済み、いよいよVRの世界へ。

このDell Visor、メガネ民にはとても優しい。以前、ネカフェでHTC VIVEを試した際、今使っているメガネは引っかかって使用できなかったのだが、Dell Visorではまったく問題なく収まる。
手持ちの数種類のメガネで試したのだが、全て問題なく使えた。標準的な大きさのメガネなら心配なく使えそうだ。

中心上部にあるのは近接センサ。かぶるなどして何かを検知すると電源が入る

Dell Visorのレンズも他のVRの機器と同様、レンズ特性からか周辺部に行くほどボケが出る。これはマシンパワー、レンズの種類など様々な制約から起きるようだ。
(詳細に解説してあるドキュメントもあったので、気になる人はどうぞ)

ちなみに、初めは眼鏡のせいかと、コンタクトにして試してみたのだが周辺のボケ感に差はなかったので、このボケ感は現時点での物理的限界のようだ。
視野角の拡大はVRにおいて最も優先度の改善点だと感じた。没入感を損なうのと、文字等、細かい部分がボケで見えなくなるのはストレスだ。

頭部への固定はダイヤルを回して締め付けるタイプのバンドを使用する。
おでこ部・頭後部にすべり止めも兼ねたクッションをあてて位置を決め、ダイヤルを回すことで締め付けを調整する。
ダイヤルは回すたびにカチッカチッとクリック感があるタイプであるが、細かい調整ができる。

緩すぎず、ずり落ちずの絶妙な位置で固定するのも容易だ。非常に良くできていると感じる。

後部

また、HMDは部分はフリップアップで持ち上げることができるのだが、あくまで一時的に目の前のキーボードを短時間見る程度用といった感じだ。
おでこにフリップアップしたまま動き回るとズレるし、目の前のモニターを見るには少し上を向かなくてはならない。

直接使用感には関係ないが、やはりHMDをかぶると髪型が乱れる。長時間使用すると寝癖的なものがつくこともある。

よく、各社のHMDのプロモーション映像などで、重役がそろって会議室でHMDをつけてプレゼンを聞く的なシーンがあるが、現実世界では阿鼻叫喚であろう。
独創的かつセンシティブな整髪料で固めたある重役の髪はあらぬ方向を向き、ある重役のHMDには剥がれ落ちた分厚いファンデーションが付き、プレゼンターの評価は急落し、HMDはそのまま総務倉庫でホコリをかぶることになると思う。

現時点でのHMDをみんななかよく(?)使うにはせめてEPSONのモベリオレベルの容易な装着感、つまりメガネ型でなくてはならない。
あくまで、このDell Visorもお家で楽しむ機械である。

さて、ここまで長くなってしまったが、VR体験は素晴らしいものがある。
こればかりは静止画や動画で伝えるのは本当に限界があるのだが、「ついにここまで来たか」感は素晴らしい。

3D空間に絵を書き、それを様々な角度から眺めたり・・

 

仮想空間にスクリーンをたくさん配置して操ったり・・

 

参考までに、3Dお絵かきと、仮想スクリーンをピコピコしている様子を動画にした。
(画面内の手の動きは、現実世界で手に持ったコントローラーの動きとシンクロしている。)

とにかくVRはすごい。
自宅の個人用のPCでこれだけの事ができる時代が来たのだ。凄いことである。

さて、日夜VR世界を探検しているのが、ひとつ気がかりな事もある。

今後、少子高齢化は間違いなく加速する。

「健全なる青少年の育成」と技術革新のバランスをどう取るか。
心にもないが悩ましいところである。






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