Biolite社の快進撃が止まらない。
今度はお湯を沸かすだけで発電が出来る、バッテリー搭載のヤカンが登場した。
BioLite KettleCharge
発電の仕組みとしては、ヤカンに入れた水と炎の温度差で発電する「TEG(熱電発電)」である。
先日のレビュー記事、「炎と水でスマホを充電!発電ストーブFlamestowerレビュー」で紹介したFlamestowerと同じ仕組みだ。
容量750mlのヤカンに、把手も兼ねた1250mAhリチウムフェライトバッテリー(発火などが起こりにくい)を搭載し、出力10W(5V, 2A)のUSB端子を搭載する。
15分の充電で、5時間の通話、5時間の動画再生、20時間の音楽再生。(機種による)
把手にはバッテリーの残量、火力(現在の発電効率)、空焚き警告の各種LEDインジケーター、電源スイッチ、空焚きを音で知らせる機能を搭載する。
把手にはLEDインジケーター
空焚き警告もあるよ
ヤカン型の完成形なのがミソで、家庭用コンロ、アウトドア用のストーブなどにそのまま置いて使用することが出来る。
発電ストーブ「BioLite CampStove」はガジェットの充電をしたい時にリアルタイムで火を起こし続ける必要があるが、このBioLite KettleChargeは1250mAhのバッテリーを搭載することで、発電と機器への充電を同時に行わなくても良くなった。
例えば調理時このヤカンで水を沸かしながら発電しておけば、食後にゆっくり電気を使う(?)ことも可能となったのである。
これはこの手のガジェットとしては画期的な事だ。
前述したBioLite CampStoveやFlamestowerは調理しながら、ガジェットを繋ぎ、ケーブルの取り回しに気を配る必要があるので、結構「立ち回り」が必要な機器だ。
特にFlamestowerは一歩間違えば冷却水がこぼれ、スタンドは傾くという足腰の弱さ。おちおち座っていられない。
一方、このケトルならどっしりと腰を据え、あまり気に留めること無く自然に発電ができる気がする。
もちろん火にかけながら機器を繋いで、リアルタイムで充電することも可能である。(耐熱性の延長USBケーブルも付いてくる)
家庭のコンロでもバッチリ
この組み合わせなら同時に2系統のUSB出力!
実際の使用シーンの動画はこちら↓
ただし重さは907gとヘビー級。
少しでも荷物を減らしたい高山での縦走などには向かないのが難点である。
基本的にはベースキャンプに据えて使う機器と考えたほうが良さそうだ。
既に注文可能で、気になる発売日は9月予定、価格は$149.95。日本で買う場合は別途送料が$70.38かかる。
ちょっと手を出すのに躊躇する送料だ。
ちなみにこのBioleteシリーズは日本ではMont-bellが正規代理店となっているので、人柱の方以外はMont-bellでの発売を待つのが得策かもしれない。
いずれにしろ、各種アウトドア発電ガジェットに手を出してきたなかで、「発電」という用途に絞れば、このBioLite KettleChargeが最も実用性が高いと言えそうだ。
アウトドアでの発電ガジェット真打ち登場であることは、間違いないだろう。