ウィリス・キャリア。
「誰?ダイ・ハードの人?」と思ったそこのあなた。罰として、今使っているエアコンを止めて頂きたい。
この人こそ、エアコンの発明者なのである。
こんなにも素晴らしい発明品、エアコンで世界を変えた人なのに、知名度が低すぎるのが悲しい。
覚えて下さい、 ウィリス・キャリア!
さて、今日も朝から東京は夏の日差しと、数多のエアコン室外機からの熱風で灼熱地獄の様相を呈している。
ほぼ一日中エアコンのお世話になっているので、もし停電になったら万事休すである。
テレビ朝日の某アナウンサー宅には停電しても動く扇風機があるそうだが、我々庶民にはそんなオーパーツは手に入らない。
いざとなったら近所のドブ川に浸かって命を繋ぐしかなくなりそうだ。
人間の要望は限りないものである。
「巣」を涼しく出来た途端、今度は「移動中も涼しく過ごしたい!」と言い出す。
車では早くも1930年にはミスト式、1939年にはコンプレッサー式のエアコンが搭載され始めた。
アメリカ車においては早くは1930年代にはミスト散布の原理を用いたカークーラーの導入が始まり、1939年にはパッカード製自動車においてコンプレッサーを用いた冷房装置が採用された。この時代のコンプレッサー式カークーラーはトランクをほぼ丸ごと占有する程巨大なものであったため、戦前は余り普及しなかった。
そして、今や人類は「歩いてる時も涼しく過ごしたい!」と言い出した。
僕も声を大にして言いたい。「歩いてる時も涼しく過ごしたい!」。
数年前、仕事で炎天下でもスーツ&ネクタイを着ざるを得なかった時、身体を冷やすスプレーを買ってみた。
結果から言うと焼け石に水ならぬ、焼けスーツにスプレー。
ほとんど役に立たなかった。
最近ではファンで換気して服の中の温度を下げる空調服が出ている。
だが、もっと冷やしたい。キンキンに冷やしたい。
調べているとCOOLSHIRT SYSTEMSという海外メーカーに行き着いた。
主にカーレーサーや緊急医療機関向けに、水冷の衣服を販売しているメーカーだ。
基本的にはレースカーに車載したり、救急車に設置したりする大型のユニットなのだが、このメーカーでは「きぐるみ用」のユニットも扱っているのだ。
確かに夏のキグルミは命がけである。
そんな激しく動き回るキグルミにも搭載可能。液体のCO2小型ボンベを用いた小型冷却システムが売られていた。
重さ約815グラム。一本のボンベで1時間継続的に冷却ができ、CO2使用のため爆発や引火の可能性もない。
なかなか実用的な冷却システムだ。
値段は799$。悪くない。なかなか妥当な価格である。
同価格帯だと、JAXAと帝国繊維がコラボして作った冷却ベストが6万円で登場している。
氷水を入れた1Lのタンクを用い、4℃の冷却水を循環させ、30分の使用が可能。
微妙なスペックだ。30分毎に氷を詰め替える必要があるのか、バッテリーの持続期間が30分なのか詳細は不明。
購入を検討するのに最も肝心な部分が謎である。
2014年に1000着の限定販売との事だが、帝国繊維のサイトを見てもまともに売る気は無さそうである。
以上、現時点で「歩きクーラー」を堪能するのであれば、COOLSHIRT SYSTEMSの「PROCOOL I SYSTEM COMPLETE」がベストチョイスだろう。
ただし、歩くCO2発生源としてCO2に集まる習性のある蚊を引き寄せてしまわないかが、唯一気がかりな点である。