世界中の学校で「電子黒板」が当たり前に!そして日本は・・

Essay

学生時代、「板書」に気を取られるあまり、肝心の授業の内容がさっぱり・・という経験は無いだろうか?

僕は数学が大の苦手、今でも「数学」という単語を聞くと思わずえずいてしまうほど、数学が嫌いだった。
授業内容を理解するのも困難なのに(←予習していないのが悪い?)先生が大量に書き散らす意味不明な数式を板書する負担が重なり、僕は数学の授業の度に青息吐息だった。

そして、時は流れ社会人になって、会社でコピー機能付きのホワイドボードを初めて見た時、僕は驚きと共に落胆した。
板書した内容がスルスルとプリンターから出てきたり、USBメモリにそのまま保存できたり・・。
「学生の頃これがあれば」と僕はハラハラと涙を流したものである。

そして、今やボタンひとつでEVERNOTEにアップロードされるホワイトボードまで出ている。

Evernoteにも!

よく「板書で手を動かすから覚えるんだ!」とおっしゃる「板書原理主義者」がいるが、
僕の見るも無残な数学の成績、そして社会人になってもまったく進歩していない現状を見れば、
「板書は機械任せでもいいかもね・・」と思うに違いない。

ところで、今の学生はどうなのだろうか?
さぞかし快適な板書ライフを送っているんだろうなと思い、ちょっと調べてみた。

現在は、「電子黒板」というものが登場している。
(”インタラクティブ・ホワイトボード[IWB]”と呼ぶそうだ。もはや「黒」板ではない・・)

全世界でトップシェアを誇るのはカナダのメーカーの「SMART Board」という電子黒板で、
ホワイトボード、PC、プロジェクターを組み合わせたものだ。(日本でも販売されている。)
もちろん板書内容をデータとして保存することもできる。

HAHAHA!

↓こんなマルチメディア(死語)な授業ができる!

肝心の普及状況はどうだろうか?
文科省科学技術動向研究センターのレポート(PDF)によると、普及率でトップなのは英国。
なんと、小中高の全教室の80%に電子黒板が既に導入され、2016年には93%に達すると予想されている。
2位はオランダで53%、そして肝心の日本は・・・・ 5.7%で、2011年の全世界平均の半分程度というトホホな普及率である。

「板書原理主義者」の仕業に違いない!

このレポートを書いた研究員の方も、

世界の教育現場では、ここ数年で電子黒板と生徒用の情報端末の導入が急速に進み、日本は大きく出遅れている。

とお嘆きの様子だ。

また、こんな事も書かれていた。

また、同じ内容の授業を、電子黒板を使う場合と使わない場合の 2 つのグループに分けて行い、効果を比較した結果、電子黒板を使った場合には「社会や算数・数学、理科において、思考・判断に関する観点で有意に高い結果」が出ている。

思わず「ほらね!」と声を出してしまった。(←何と戦っているのか・・)
この科学技術動向研究センターのレポートのように、教育現場におけるガジェットやIT技術の効果が統計で出てくるのはとても良いことだ。

ちなみに、メーカーによっては既存のプロジェクターと組み合わせることで、電子黒板を実現するモジュールも出ているようだ。

EPSON ELPIU02

構成を見ると、カメラ、IR(赤外線)ペン、IR指示棒がセットとなっている。
この記事で紹介しているTrackIRのような仕組みだろう)

今後、電子黒板がどんどん普及し、
今なお板書に悩める学生さんに、明るい未来が訪れますように!