ひっそり消えていったガジェット達 レーザーキーボード編

Essay
本当はこれが欲しいんだけどね・・

2年ほど前。

僕はビックカメラのキーボードコーナーの前を行ったり来たりしていた。
「買うべきか」「買わざるべきか」・・・。


レーザーキーボード。机の上にレーザーで投影されたバーチャルキーボード。
そのまさにSF然とした佇まいは、ガジェット好きの心を猛烈に揺さぶってくる。

買った人の動画。垂涎のサイバー感!

もし買ったら、職場のガジェット好きの同僚が、ダラダラ涎を垂らしながら集まってくるだろう。
スタバでレーザーをテーブルに投影してポチポチ入力が出来るだろう。
(↑ 正常な思考能力が侵されていて、どれほど恥ずかしいシチュエーションか判断できない状態!)

すんでのところで僕の最後の理性を呼び起こしたのはその価格だった。
約2万円の価格に妨げられ(助けられ)、僕は泣く泣く購入を諦めたのだった。

マジックキューブから発売され、一時期、ガジェット好きの熱い視線を集めたこの製品、
残念なことに今まで一度も街中で使っているのを目にしたことがない。
その後、エレコムがOEM版を突然投入したが、価格も殆ど本家と変わらず、入手を試みる奇特な人はあまり現れなかったようである。
移り気なガジェットギーク(含、自分)。翻弄されるメーカーの技術者にはいくら同情してもし足りない。

そして時は経ち、酔っ払うとキーボードにお酒をこぼす自分について苦々しく考察している時、
ふとこのキーボードを思い出した。
半年に一度はキーボードにアルコールの洗礼を浴びせかけ、キーボードの天国(もしくは地獄)に送り込んでいるので、
半分冷やかし、半分冗談で値段を調べてみた。

もの凄い値崩れだ!
思わずポチってしまいそうな価格帯になっていてちょっと動揺した。
でも何とか踏みとどまった。そんな絶妙な価格である。

もう少し安かったら、
「カッコいい!だけど絶対使いづらい、でも買っちゃおうかな、おもちゃとして・・」
と言いながらポチーだろう。。

「おもちゃとして・・」、衝動買いを自分の中で正当化するために僕が心のなかで唱える呪文である。

この「おもちゃとして・・」でポチってしまう価格のラインはどうやって決まるのだろうか?
この思考は案外ちゃんとした数式に出来そうな気がする。

僕は自慢では無いが理系でありながら「数学」という文字を見るとえずくくらい数学が苦手だ。
数学や統計に強い人ならそれらしい式が作れるのかもしれない。

しかし、このレーザーキーボード、
Leapmotion同様、医療機関や食品製造メーカーなど極ニッチな需要はあると思うのだ。