あの痛ましい東日本大震災から2年半が経った。
今日はちょっと真面目な記事。地震に対してテクノロジーでどんな減災ができるのかを考えてみたい。
僕は個人的に、地震予知の効果には懐疑的だ。
予知に力を注ぐより、地震の発生した直後の対策に注力するのが最善だと考える。
その最たるものが、緊急地震速報。世界に誇れる技術だと思う。
緊急地震速報は2種類ある。
【一般向け緊急地震速報】
テレビ、そして携帯などに配信される。
震災直後に、頻繁に見たタイプの速報画面だ。
しかし、地震の規模やいつ揺れるかは全くわからず、揺れ出すのをじっと待つしか無い。
この2つが解らないのは物凄いストレスである。
【高度利用者向け緊急地震速報】
地震の震源、規模、揺れるまでの秒数がわかるタイプの緊急地震速報。
元は工場、医療現場、交通機関などに地震に対して速やかな対応が迫られる所に提供するのが主だが、個人でも受信することができる。
僕のパソコンにはウェザーニューズ社のThe Last 10-Secondという緊急地震速報ソフトが入っている。挙動はこんな感じ。
※音声注意。緊急地震速報のチャイムが鳴ります。
予め、規模、震源、到達時刻がわかることで、だいぶ心構えができる。
だが緊急地震速報には誤報もつきものである。
全く揺れない、また揺れても「なんでこの程度の揺れで速報?」と思うパターンも多々あった。
東日本大震災後に知ったのだが、「強震モニタ」という仕組みがこのような誤報の対策になる。
強震モニタは独立行政法人 防災科学技術研究所という研究機関の作ったシステムだ。
日本各地に1000箇所以上の地震計が設置されていて、ほぼリアルタイムで揺れの状況をブラウザで見ることができる。
また、緊急地震速報を音声等で同時に伝えてくれるバージョンも公開されている。
3月11日の時の動画は以下。日本全土が揺れているのがわかる。
2011/3/11 東日本大震災 地震発生の瞬間 強震モニタ動画
この強震モニタの優れた点は、緊急地震速報とあわせて見ることで、そもそも誤報なのかどうか、
また実際の揺れの大きさ、揺れの到達状況が手に取るようにわかることである。
もともとは地震の研究者向けのシステムのようだが、防災科学技術研究所もそのメリットを一般の人の減災に活かすべく、無料で公開されている。
この技術が防災に役だってくれるよう、陰ながら応援したい。
例えば、TVで緊急地震速報が出た時に同時に「強震モニター」を映すことでみんながより正確な判断ができるようになると思うのだ。