フライトシミュレーター・クロニクル

Essay
実写かな?

先ほど、Engadgetで紹介されていたボーイング787のアクロバット飛行の動画を見ていた。

旅客機のこの飛び方を見ているとムズムズしてくる。
「あっ!旅客機がそんな動きしちゃうの!?」という非日常感。

高所恐怖症、飛行機恐怖症の人なら失神モノの動画だ。

さて、僕はフライトシミュレーターが大好きで、かれこれ20年以上いろいろなソフトで遊んできた。
フライトシミュレーターにハマったきっかけは、小学生のころI/Oという雑誌に付いてきたフライトシミュレーターの体験版を遊んだことである。

その作品は、F-19というフライトシミュレーター。1992年発売のソフトだ。
(以下の画像は「AVIONICSの小部屋」という過去発売されたフライトシミュレーターを時系列で紹介している素晴らしいサイトからお借りした。)

F-19。隔世の感を感じる。

当時、ゲームは2次元の横スクロールという認識だった僕はこのソフトをプレイして頭を殴られたような衝撃を受けた。
3D空間を自由に浮遊する感覚、そしてAIにコントロールされた他の機体が同じ空間内で立体的に行動している。
今までの遊びの空間が1次元上がっただけでこれだけゲームが面白くなるとは・・。

この時以来、僕はフライトシミュレーターの虜になってしまったのである。

当時我が家にあったのはPC-9801ノート。モノクロ8段調のモニターと貧弱なCPU、ジョイスティックなどもちろん持っていないので、キーボードをポチポチしてフライトしていた。
あの体験版だけで何百時間遊んだかわからない。(結局製品版は買えなかった)

その後も各種の体験版フライトシミュレーターをとことん遊び倒し、陰鬱な小学生時代を過ごしたのだった。

そして、中学生になったころ、時はDOS/Vブーム。
念願のタワー型PCとジョイスティックを手に入れ、体験したMicrosoft Flight Simulator for Windows 95

中学生だった僕は当時としては超高解像度のVGA(!)でフライトシミュレーターが出来る時代が来るとは!と狂喜乱舞したものである。
マイクロソフトフライトシミュレーターはリアルな操作感や、シミュレーション条件の非常に細かな設定ができることに、またしても衝撃を受けたのを覚えている。

その後も旅客機、軍用機、ヘリと多種多様なシミュレーターを遊び倒すという暗い青春時代を送ることとなる。
(興味の有る方はぜひ前述の「AVIONICSの小部屋」をご覧頂きたい。フライトシミュレーター進化の歴史が詰まった貴重なクロニクルになっている。)

時は過ぎ2014年。
今やフライトシミュレーターは物凄い進歩を遂げた。

最近お気に入りのシミュレーターは「DCS: A-10C Warthog」。
これがそのプレイ画面である。

実写かな?

このスイッチ類はダミーじゃない。操作できるのだ!!

一つ一つの計器やスイッチがダミーではなく、実機の様に機能する。
もちろん戦闘機なので壊れるのだが、ダメージを受ければそれが細かく反映される。

右エンジンが被弾すれば右のエンジンの油圧が下がるといった具合に、とにかく異常な程細かくシミュレーター内で様々なことが再現されるのだ。
それに即座に対処できるように頭をひねる、そんなトラブル対処の緊張感がコンバット系フライトシミュレーターの醍醐味である。

そして、没入感も昔の比ではない。
以前の記事で紹介したTrackIRという機器を付ければ、自分の頭の動きに合わせてまるでPCの中に入り込んだかのような操作感が得られるのだ。

3つの赤外線LEDをヘッドフォンなどにつけ、モニター上部につけたTrackIRで視線の向きを検知する。

これをつけて実際にフライトしている様子がこちらの動画。

小学生時代の自分に見せてあげたい。君は20年後、こんなフライトシミュレーターで遊んでいるんだよ、と。
そして、もう一つアドバイスもするのだ。

「ゲームもほどほどにしないと、将来たいへんなことになるよ」と。