レンズが無いカメラ!Rambus社の描くカメラの未来

Essay
宝石よりもレンズのほうが美しい!

初めて自分のカメラを手に入れたのは、小学生の頃だった。
祖父に買ってもらったコンパクトカメラ。
もらったその日は嬉しくて枕元に置いて寝たのを覚えている。

そして、一番僕を惹きつけたのはレンズの輝きだった。

宝石よりもレンズのほうが美しい!

宝石よりもレンズのほうが美しい!

角度によって微妙に色合いを変える美しいレンズ。
カメラという手に取る機械でありながら、「触れてはいけない」レンズはじつに誘惑的だ。
(なんかやらしい)

しかし。
技術の進歩というのは恐ろしいものである。デジカメからレンズが消える時代が来るかもしれないのだ。

アメリカのラムバス社が現在研究中の、「光学レンズが要らない」CMOSセンサー、Picocam。
光学レンズの代わりに、CMOSセンサー表面にパターンを彫り、あたった光をゴニョゴニョ計算をすることで、センサー単体での撮影を実現する技術だ。

PICOCAM3

逆転の発想ですな

その詳細な仕組みについては僕には理解できない。(計算式見てえずいた・・)
詳細を知りたい方は、Rambus社が2013年に行ったプレゼンPDFをご覧頂きたい。動画はこちら

??????黒魔術か?

 

そして何より驚くべきポイントが、大きさだ。光学レンズを用いた機器では約1mm×1mmが限界のようだが(これだけでも凄い!)Picocamはこれをさらに下回る数十μmというサイズである。

下の硬貨のなかの点!!

下の硬貨のなかの点!!

しかし、光学レンズが無い分、内部で計算をする必要が出てくる。
それにはもちろんチップが必要だ。

カメラの中で大きなコストを占める光学レンズは、わずかづつ生産コストは下がっているものの、その下げ幅は微々たるものだ。
一方、計算に使うチップはご存知のようにあっという間に高性能化し、そして安くなる。

赤が光学レンズのコストの推移、緑はマイクロチップのコストの推移

赤が光学レンズのコストの推移、緑はマイクロチップのコストの推移

光学レンズをなくすことで、小さい、そして安価なカメラを大量に生産できる時代がすぐそこまで来ているのだ。

日経に「レンズなしカメラ、新構造のCMOSセンサーで実現へ」 という記事が載っていたが、
その中にこんな一文があった。

同センサーが実現すればデジタルカメラを低コストかつ小型にできるため、あらゆる場所にばらまくような使い方ができる。
コスト次第では、使い捨てにすることも可能だ。

数年後には、マキビシのようにデジカメをばら撒く時代になっているかもしれない。
(これはこれで恐ろしい)






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