リコーから、もの凄い製品が登場した。
某ロボットのモノアイを連想させるレンズを持つこのガジェット、RICOHが発表したデジタル双眼鏡「RICOH PAIR 双眼鏡、RICOH NV-10A」だ。
プレスリリースのキャッチ文が、「海上警備や夜間監視に最適 」とバリバリのプロ仕様。
「大気障害の鮮明化に加えて、暗視機能、GPS 機能、電子コンパス、録画機能、手ブレ防止機能を搭載し、さらに、防水・防塵機能を備えています。
特に国境、港湾、ダム施設等の野外監視、海上、山岳の保安・防災、消防、警察捜査などさまざまなシーンで活用できます。」
製品紹介で、「国境」という言葉が出てくるガジェットもそうそう無い。
中でも、プレスリリースでも大きく言及されている「大気障害除去 (PAIR) システム」、これが凄い。
双眼鏡や望遠レンズを使う際、遠景の霞やモヤは非常に気になるものだが、この双眼鏡は霧、モヤ、霞など各種の悪気象条件下での遠景を見やすくしてくれる画像処理技術を搭載しているそうだ。
特徴として、
・ 大気中に浮遊する霧・雨(水粒子)のほか、黄砂・煙・雪(固体粒子)などに対しても効果を発揮し障害を除去します
・ 可視光線をカットする光学フィルタ方式ではモノクロとなってしまう映像もPAIRはカラーで再現。目標物の特定に有効です
・ 劣化画像をリアルタイムでカラー再現可能です
と、今までの双眼鏡の概念を覆す文字が並ぶ。
公式サイトに実際のサンプル動画もあった。
デジタル双眼鏡と言えば、SONYのDEV-3が爆死一世を風靡したが、この機種はアウトドアに持ち出す双眼鏡ながら防塵・防水に非対応、
しかしながら対物レンズは2つ搭載し3D動画の撮影が可能、と仕様の迷走が際立っていた。
(でも、危うく買いそうになった・・物凄くカッコいいデザインだったのだ)
この機種と比べると、リコーの新機種は派手なエンターテイメント機能は排して、完全なるプロユースの製品に仕上がっている。
防塵・防水はもちろんのこと、GPS搭載、そして仕組みは不明だが暗視機能を備える。
双眼鏡という特性上、こちらから赤外線を出すアクティブ方式では無いはずなので、外部の光を増幅して(この製品の場合は高性能な画像処理エンジンでゴニョゴニョ?)
見えるようにしてくれるのだろう。プレスリリースでは「肉眼では確認が困難な暗闇の中でも視界を確保でき、夜間の監視が可能」と言い切っている。
第三世代の暗視装置並の性能を持つのであれば、これはもの凄いことだ。
マイナビニュースによると、倍率は約6.6~13.2倍。重量1350g。9月下旬発売。市場想定価格は30万円台だそうだ。残念ながら、気軽に買える値段ではない。
ただ、このスペックの製品が民生品として発売されるのは凄いことだ。輸出規制品になってもおかしくないレベルの製品ではないだろうか。
参考までに、SONYも諦めずにデジタル双眼鏡の新モデル、DEV-50V、DEV-30を出したようだ。
今モデルからは防塵・防水にも対応していて、エントリーモデルのDEV-30がソニーストアで128,000円となっている。
SONYのデジタル双眼鏡は実機が家電量販店でも置いてあるが、RICOHのデジタル双眼鏡は店頭に並ぶのだろうか。
この夏は家電量販店のカメラコーナーに足繁く通うことにしよう。