眠れる森のZaurus

我が家には、一線を退いたガジェットが眠る引き出しがいくつかある。
通称「ガジェットの墓場」である。
この引き出しではケーブルがジャングルの蔦のように絡みあい、その中で役目を終えたガジェットが静かに眠る。

もちろんすべてのガジェットがここに来るわけではない。
神(筆者)の逆鱗に触れた駄ガジェットはハード●フに売り飛ばされ、
この安らぎの地にたどり着くことはない。

ザウルス1

先日オーディオケーブルを探していた時、この墓場で懐かしの一台を見つけた。
2000年、今から13年も前に発売された、シャープのZaurus「MI-E1」だ。

ザウルス2
今や瀕死のシャープ、しかし13年前には既に今のスマートフォンに近い製品をほぼ完成形で出していたのだ。
この機種は今まで使った数多のガジェットの中でも、1、2を争う良機だった。

そのまま引き出しに戻すにはしのびなく、復活(充電)させて見ることにした。
恐る恐る電源を入れてみる。
長い歳月を経ても、MI-E1はすんなり立ち上がった。

ザウルス3

享年 2004年1月28日 11:20 PM

2004年で止まっていた時の流れが動き出した。
隣にあるのはiPhone。タッチパネルも時を経て、感圧式から静電式に変わっている。
もし機械に意識があるのなら、浦島太郎的な心境を味わうことだろう。

この機種の特徴は、前面のカバーをスライドさせると出てくるハードウェアキーボードである。
blackberryを彷彿とさせるキーボードは、見た目のオモチャっぽさとは裏腹にものすごく押しやすく、
誇張ではなく長文メールをスラスラかけるだけの性能を持っていた。
(大ヒットしたW-ZERO3のプロトタイプと言えるだろう)

13年前の機種とは思えないデザイン

13年前の機種とは思えないデザイン

解像度320×240のタッチパネルのカラーディスプレイを備え、
SDカード、コンパクトフラッシュに対応、コンパクトフラッシュスロットにはカードタイプのPHS端末が挿せた。
電子書籍の閲覧、動画再生、インターネットブラウズももちろん可能で、
13年前に電車の中、そしてお風呂の中(シャープから、なんと純正の防水ケースが出ていた)でインターネットや読書ができていたのだ。

設定画面。AirH”という単語に歴史を感じる。

設定画面。AirH”という単語に歴史を感じる。

ちなみにこの機種の裏側にはこう書いてある。
「MI-E1 パーソナルモバイルツール」

シャープの開発陣は今スマートフォンで実現したコンセプトを13年前に予見・実現させていたのである。
ちょっと流れが変わっていれば、今頃シャープのスマートフォンが世界中を席巻していたのかもしれない。残念でならない。

シャープの現状に、13年という時の流れを想う。






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