SF映画の金字塔、「マイノリティ・リポート」が公開されたのは2002年。
つい先日映画館で見たような気がしたのだが、実は10年以上前の映画だ。
手のジェスチャーで目の前一杯に広がったスクリーンを操作する様子を見て、ゾクゾクしたのを覚えている。
(端末操作シーンにばかり見入ってしまい、実はストーリーは殆ど覚えていない・・)
トム・クルーズが演じる主人公が手に嵌めているのは、光源が左右に3つついた手袋。
一見、トンデモSFっぽい外観だが、これを応用したデバイスは、2001年に現実に登場している。
「TrackIR」といい、ゲームなどで、自分の頭の動きに合わせて映像を変え、
実際の自分の動きをゲーム内の視線操作にシンクロさせるデバイスだ。
仕組みとしては、3点の赤外線光源をカメラで撮影し、頭の動きを三次元的に判別している。
レースゲームやフライトシミュレーター、FPSなどではこれの有る無しで面白さがまったく違ってくる。
(実際にレースゲームやFPSで使うとこんな感じ。興味のある人はご覧あれ。)
Dirt2
ARMA2
「マイノリティ・リポート」を作成した制作陣はきっちり技術的考証をしていたんだな、と今更ながら感心してしまう。
さて、マイノリティ・リポートから10年あまり。
現実世界では、Leapmotionのような機器が登場し、赤外線光源を発するグローブを着けなくても端末の操作が出来る時代がついにやってきた。
先日、leapmotionのアプリストアでリリースされた、「Pointable」というソフト。
手の動きでマウスカーソルの動き等を再現できる。
空中でクリックしたいところを指さし、ちょんと突っつけばクリック、指差したまま親指を横に開けばドラッグ、そしてトンボを捕まえるときのように指をグルグル回すと、スクロールといった具合である。
正直なところ、マウスの方が断然楽に操作できる(言っちゃった・・)。
だが、何らかの理由でキーボードやマウスに触れない環境下(料理中、実験中、オペ中など)では
代替手段として十二分に実用として使えるレベルに達している。
次の動画は実際にジェスチャーでブラウジングしている様子である。
ウィンドウの移動、リンクのクリック、画面のスクロールなど、ジェスチャーだけで操作できている様子がわかるだろう。
leapmotionのアプリを見ていて思うのはまさに「アイデア勝負」だなという事だ。
最近、追加されたアプリで「Digit Duel」という西部劇の早撃ちガンマン風の決闘を再現したアプリが出た。
ファミコンで一世を風靡した、光線銃を使うゲーム「ワイルドガンマン↓」みたいなゲームだ。
(おっさんホイホイ)
leapmotionの上で自分の手の平をひらひらさせながら対峙し、相手が銃を引き抜いた瞬間に自分の手を銃の形に変え、「ドキューン!」と撃つジェスチャーをして決闘するゲームである。
これがなかなかおもしろい。
秋の爽やかな風が吹く休日。
一人モニター前で「バキューン、バキューン~!!」と手遊びをするオッサン。
楽しいのだが、どこか人生を間違えた気もするのだ。