撮影したあとにピントをあわせることが出来るカメラとしては、去年の3月に登場した「Lytro 」がある。
このLytroは330×380個もの小さなレンズが画像センサーを覆っており、撮影後に「ライトフィールドレンダリング」という技術を利用し、撮影後に写真のどの箇所にでもピントが合わせられる。
(詳細なしくみはこちらの論文を参照。悲しいことに僕には理解できなかった・・)
これがLytroで撮影した写真のサンプル。写真の任意の位置をクリックすると、そこにピントが合う。
誰でも撮影後に「ああ、この構図は最高だったのに・・ピンぼけだ・・」と失望したことがあるだろう。
画像加工ではどうしようもないこのピンぼけ。
このLytroのように撮影した後からピント調整が自在にできるのは革新的だ。
そして先日、東芝から「2つのカメラで被写体までの距離情報と画像を同時に出力するカメラモジュールのサンプル出荷開始について」というプレスリリースが発表された。
写真撮影後にピント合わせやぼかしなどの加工が可能
2個のカメラを組み込んだカメラモジュール「TCM9518MD」と独自開発の画像処理LSI当社は、スマートフォンやタブレットPC向けに1/4インチ500万画素のCMOSイメージセンサを2個搭載し、被写体との距離を撮影と同時に計測、出力できる業界初のカメラモジュール「TCM9518MD」のサンプル出荷を、2014年1月31日から開始します。
今回発表されたのは、スマホやタブレットに搭載するカメラモジュール。
500万画素のカメラを2つくっつけた構造となっており、撮影後のデータを処理をすることにより1300万画素の画像を出力できる。
2つのカメラを搭載することで、被写体までの距離が計測でき、撮影後の任意の被写体へのピント合わせ、ぼかし、消去などが可能だ。
ミラーレス一眼など、写真をいかに綺麗にボカすかを追求する製品がぞくぞくと誕生し、かたやボカシの概念を打ち消す技術が登場する。
紙に出力せず、デジタルで写真を閲覧するという文化が普及してきた過渡期らしい混乱と言えるだろう。
(このカメラで撮った写真を紙に出力する時は、一枚一枚フォーカスを設定する必要があるな・・)
個人的には民生用にはあまり普及せず、監視カメラでの撮影など、特定分野で伸びる技術かなと感じている。