東京都知事選が近づき、僕の住んでいる区では今日も朝から「選挙に行きましょう?(よく聞き取れない)」のお知らせがスピーカーから流れている。
この防災行政無線、とにかく聞き取りづらい。
注意して聞いていても、エコーやらなんやらで肝心の放送内容が聞き取れないことも多い。
僕の住んでいる地域では「夕方に音楽を流してるアレ」くらいのお役立ち度である。
総務省近畿総合通信局の報告書によると、この防災行政無線のスピーカーによる音の到達限界距離は概ね200~300メートルととても短い。
技術試験(30Wレフレックススピーカからの音達)から得られた現状把握としての測定対象地域ごとの音達範囲(限界距離)は概ね200~300m。
これ、何とかならないものだろうか。
調べてみると、LRAD(エルラド Long Range Acoustic Device)という装置が目に留まった。
元は軍用として開発された物で、音をビーム状に集中させて発することで、対象物へ影響を与える装置である。
暴動の鎮圧、飛行機との衝突を防ぐ為に動物を追い払う、海賊の撃退など、非殺傷兵器として使用用途は多岐にわたる。
この装置は音量を適正に調整して用いることで、超遠距離まで届く指向性スピーカーとして利用できる。
例えば、通常の防災無線では300メートルくらしか届かない波音や海風吹きすさぶ海岸でも、3km先ではっきり聞き取れるほどの性能を発揮する。
現在では360度全周にわたって音を発生させるモデルもあり、大阪市福島区でも導入実績があるようだ。
この導入事例の中で現行の防災行政無線の性能の悪さを痛感した区長はこう語る。
入手できるようになったゲリラ豪雨の情報。怪しい雲を見つけたらそれを事前に住民に知らせれば被害も少なくなるはずだ。
坂本区長はさっそくあるテストをするが、結果に愕然とした。
「全然聞こえていないじゃないか──」
防災行政無線は本当に非常時に機能するのか。
各市区町村の首長にも真剣に考えて欲しい問題だと思う。
とりあえず僕の住んでいる区の区長は「シムシティー」あたりからやり直して欲しい。