雪にガクブルしながら「非常食」について考えてみた

Essay

大雪に埋もれた関東。
都心部でも信じられない景色が広がっていた。

極めつけはTwitterで見た、雪に閉ざされ高速で立ち往生した車。これを見て衝動的に防災意識が高まり、防災グッズの総点検を始めてしまった。

雪の中央道

中央道大月付近だそう。恐ろしすぎる・・。

さて、非常時に重要になる食料。
以前の記事で紹介したアメリカ軍の戦闘糧食的なものがあれば理想だが、日本の普通の家の備蓄は心もとないものである。
(僕もお酒を飲むと、つまみの代わりに非常食の缶詰やレトルト食品に手を出してしまう・・。意味なし!)

文科省科学技術動向センターの報告書「非常食から被災生活を支える災害食へ(PDF)」によると、
日本の家庭では3日分以上の食料の備蓄がある家はわずか11%である。(東日本大震災前2010年のデータなので、今は少し上がっているかも。)

日本とスイスの非常食備蓄状況

日本とスイスの非常食備蓄状況

対照的なのはスイス。以前「民間防衛―あらゆる危険から身をまもる」という本を読んだことがあるが、食料自給率が低く、永世中立国を宣言しているスイスは非常時への備蓄に対して非常に意識が高い。

東西冷戦の時代には、政府によってスイスの一般家庭に配布された小冊子『民間防衛』の内容からもうかがい知れるようにスイス国民はあまねく民間防衛組織に加入し、有事に備えていた。冷戦の終結後は、民間防衛組織の多くが役割を失って消滅したか、人員や装備を大幅に削減したため、現在のスイスには「民間防衛」が発行された当時のような高度な防衛体制は、もはや存在しない。それでも、政府が食糧を計画的に備蓄し、スイス軍の施設と公立の学校については、核戦争への備えとしてシェルターが常設されている。(Wikipediaより)

スイスの場合は主に侵略に対する防護が主だが、天災の多い日本にも見習うべきところは多くありそうだ。

先ほどの報告書によると、もし首都直下型地震が来た場、必要となる食料は7810万食/1週間だそうだ。
(ちなみに東日本大震災で必要になったのが、840万食/1週間)

どう考えても食糧難が起こる予感。

どう考えても食糧難が起こる予感。

また、インフラの復旧にも時間がかかる。
下のグラフは阪神大震災と東日本大震災でのインフラ復旧までにかかった期間だ。
首都機能が喪失したり、人口が桁違いの首都圏での震災はこれをはるかに上回る時間がかかりそうだ。

ライフライン復旧までの期間

今の日本の家庭の備蓄状況だと危機的。

いざ、大災害が来た時、「ヒャッハー!」状態にならないように、食料、燃料等の備蓄が必要だと改めて思った。

この報告書では以下のような提言がなされている。

現在、自治体や家庭で備蓄されている非常食は、備蓄の絶対量が少ないことに加え、地
震直後に水や湯なしに食べられる食品が少ない。また、被災生活の長期化を想定して多種
類を多量に備蓄しているケースは稀で、賞味期間を過ぎた非常食が利用されず廃棄される
ことも多い。使わないことを前提にした従来の「非常食」から、平常時に使え、災害時に
は特に役に立つ「災害食」(災害対応食品)への切り替えが重要である。

大いに同感である。
手始めに、酔った時に非常食に手を付けてしまうのは控えようと思う・・。

点検ついでに、BioLiteキャンプストーブの充電も開始。

BIOLITE_R

PCのUSB端子から充電

BioLiteキャンプストーブは小枝などを燃やして調理したり、暖を取るのに使用するストーブで、燃焼時の熱で発電もでき、スマホや、モバイルルーターの充電等にも使える。
使用時にバッテリー駆動の内蔵ファンがふいごの役割を果たし、安定的に燃焼するように設計されている。
このファンを動かすバッテリーはその場で木などを燃やした熱で充電することも可能なのだが、時間がかかるため前もって(使わない時は6ヶ月毎)外部電源で充電することが推奨されている。

BioLiteキャンプストーブは雪中でも実に頼もしい。
小枝など燃やす物さえあれば、雪が降っていようが、風が強かろうがストーブとしての役割を全うする。

↓ 過酷な環境で活躍するBioLiteキャンプストーブ。

↓ 雪の合間、天気がよければちょっとリッチなメニューも。(手作りグラノーラとバーニャカウダー!)

厳冬期に外出する時はこのストーブとシェラカップ、焚き付けとして割り箸の束1パック、ライターは車のトランクに常に入れておこうと思ったのであった。

頼もしすぎる

頼もしすぎる






タイトルとURLをコピーしました