会社勤めを辞め、フリーランスになって以来、キッチンに立ち、毎日のように料理を作るようになった。
パラサイト・シングルとして実家に寄生しているなりに、ただでさえ強い風当たりを沈める少しでもお役に立つためである。
一日中モニターとにらめっこしていると、ひとときキッチンにたち五感を使って料理を作るのはいい息抜きになる。
使うレシピはもちろん「キューピー3分クッキング」
料理のプロの作りし「おこのみで」「適量」などの忌むべき言葉を排した、素敵なレシピ集である。
去る、4月。
あるニュースが日本中(?)を激震させた。
タコスチェーン店、「タコベル」の上陸である。
駆けつけたい気持ちは山々だったが、ニュースをみると2時間待ちなどと恐ろしいことが書かれていた。
行列、人混み・・整理券、小突き合い、将棋倒し・・・そんな言葉が脳裏をよぎる。
だが、何よりも許せないのは、アルコールの販売が無いことである!!
スパイシーなタコスをビール無しで食すとは・・。なさけない!許せない!
酒好きにとっては耐え難いのである。
追記: 今はお酒も飲めるらしい!
ならば、自分で作って、好きなだけビールを飲みながら楽しもうじゃないか。
そんな結論に至ったのも当然である。
さて、タコスのレシピ。
愛するキューピー3分クッキングにも、さすがにタコスは無いだろうなと試しに検索したところ、なんとあったこれ!
「手作りタコス ~とうもろこしの粉を使った本場の味~」
副題がなんとも素敵である。本場の味、だ!
鼻息あらく材料を見ていくと、「コーンミール」なる未知の食材にぶち当たった。
調べてみるとトウモロコシの粗挽き粉のようである。
ところが、街中のスーパーを探すもことごとく無い。
ここならあるだろうと入った成城石井にも無い。
半泣きで検索すること数分、カルディにあるらしいとの情報を得、ようやく入手できたのであった。
材料を入手できれば、あとは作るだけ。
レシピには無いアボガドやオリーブのスライスなども買い込み、タコスパーリィーである。
というわけで、実に見事で美味しい手作りタコス(しかも安価で!)をお酒とともに堪能し、幸せな一夜を過ごしたのであった。
さて、ここまで読んで「何だよ!ガジェットの話じゃないの?お料理ブログか!」と怒る読者もいることだろう。
勿論、ここからが本題である。
このタコスのレシピには、
生地ひとつに打ち粉をし、転がして丸め、手のひらで少し押し広げてラップにはさみ、上からめん棒を転がして直径約12~13cmの円形にのばす。
という工程があるのだが、これがもう大変なのである。
ラップにまとわりつき、千切れる薄い生地、舞い散る打ち粉。キッチンは一時阿鼻叫喚の地獄と化す。
キッチンまわりには秀逸なガジェットが実に多い。
フードプロセッサー、ピーラー、食器洗浄機etc.、手間がかかる工程には必ずや救世主のような機器が現れる。
タコスの生地も例外じゃないだろうと調べたところ、ありましたタコス用ガジェット。
さっそくポチろうかと思うも、常に競合製品をググってしまうのが悪い(?)癖。
調べているとPHILIPSのヌードルメーカーも気になってしまったのである。
昨年発売され話題になったヌードルメーカーは麺だけでなく、餃子の皮やラザニア用のシートも作れるようなのである。
タコスには少々小さめの生地だけど、つなぎ合わせれば・・いや新しいアタッチメントも出るかもしれないぞ!と妄想が膨らみひとまず購入足踏み状態。
そんなこんなで、日々悶々とタコスのことを考えながらすごしている。
酷暑にキッチンで粉を捏ねるのも辛いので、最近はズルして既成品のタコシェルを買ってしまっている。
油で揚げてあるタコシェルはレンジで1分温めて、レタスやサルサ、チーズを挟むだけで素晴らしきおつまみができる。
気になるのはそう、唯一腹の肉だけなのである。