梅雨真っ盛り。
雨が心底嫌いで、ついつい車での移動が多くなってしまう。
移動手段を自分で選べるのがフリーランスの大きな美点である。
さて、僕は学生時代、ナビメーカーで販売ヘルパーのアルバイトを長らくやっていた程のナビ好きである。
(正直、地図にはそれほど興味がない。あくまでナビというシステムが好きな、ちょっとしたアブノーマルなのだ!)
車に乗っていても、優先順位は「1に安全、2にカーナビ、3にカーナビ」という感じ。
そんな中、久々にGoogleマップをカーナビとして使ってみてその完成度に改めて敬服した。
スマホのマップの大きなメリットは通信を活用した、VICS以上にきめ細かい交通情報の把握だろう。
GoogleマップはAndroid端末(iPhoneも?)所有者がMy Location (現在地)の機能を有効にしていると、その人の移動速度などの情報を匿名で収集している。
(Google公式ブログ)
この情報を交通情報に役立てている訳である。
この情報の更新頻度は高く、どうやら分単位で更新されているようだ。
下の画像でも、青い丸で囲った部分の道路情報が、わずか2分の間に更新されているのがわかる。
実は移動する車から走行情報を集め、ナビに活用しようという取り組みはずっと前からPioneerの「スマートループ」などで実用化されていた。
パイオニアは10年以上前には既に「エアーナビ AVIC-T1」という通信カーナビを発売している。
既に街中を走っている車を情報源とするアイデアはこの時点で確立していたにも関わらず、その後は鳴かず飛ばず。
Googleに完全にお株を奪われてしまった現状は、あまりにも悲しすぎる。
閑話休題。Googleマップの話に戻ろう。
最近のアプリバージョンアップで、主要な分岐に来るたび、複数ルートを比較する仕様になっている。
数分ごとに刻々と変わる道路状況を元に、常に最速ルートを計算しているようなのだ。
ロジックではなく、実際の走行実績を情報源するため、「計算上はこっちが速いルートのはずだけど、実際は走りにくい道で結局遅くなってしまった」などというカーナビでよくあるシチュエーションに陥いらないのが大きなメリットである。
その他、交差点付近では、どのレーンを走っていれば便利かを教えてくれる「レーンガイド」が出るなど、完成度がいつの間にか上がっていた。
さて、このようなスマホ陣営の猛攻の中、旧来のカーナビメーカーが生き残るには今以上に車メーカーとの連携を強め、ヘッドアップディスプレイ等を搭載した、ユーザーが心底使いやすいと感じる純正ナビを車の購入時にほぼ必須の装備として組み込むことだろう。
Androidなどをベースに拡張性の高いOSをベースに初心者はそのまま使え、いろいろカスタムしたいユーザー向けには自由に弄れる余地を残した仕様とする。
もちろん、Bluetooth接続でスマホと接続する機能は必須。
そして、通信元のスマホと車の双方に非接触充電、「おくだけ充電」ことqiを装備する。
これでスマホのバッテリー問題は解決。通信もし放題である。
日本の車メーカー、スマホメーカー、ナビメーカーで統一の仕様を定めれば、まだ巻き返しは可能かもしれない。
なんだかんだいって、乗車する度にスマホをホルダーに設置し、電源ケーブルを繋ぎ、ナビアプリを起動する一連の作業は面倒臭い。
また、エアバックとの干渉などで事故時に吹き飛ぶなど、安全面の懸念もある。
ここがスマホナビの最大の弱点である。この隙間を鋭く突くべきである。