高貴なる不潔な話。ウンコカプセルを飲んで致命的な腸内感染症を治療!

Essay
クロストリジウム-ディフィシル

とりあえず、不潔な話題で申し訳ない。
いや、不潔なんて言うと真摯に研究しているお医者さんは怒るかもしれない。

今日、図書館でネイチャーダイジェストを読んでいたら、驚くべき記事が載っていたので紹介する。

クロストリジウム-ディフィシル感染症という病気があるそうだ。(クロストリジウム-ディフィシル感染症について
米国では年間約50万人が感染し、下痢や発熱を引き起こし、年間約1.4万人が亡くなる細菌感染症だ。
特にお年寄りや抵抗力の弱った人が発症する病気だ。

クロストリジウム-ディフィシル

クロストリジウム-ディフィシル

抵抗力の落ちた身体では、腸内にいる正常な腸内細菌叢(いわゆる善玉菌)が減り、このクロストリジウム-ディフィシルが増え、致命的な結果になってしまうことがある。
抗生物質での治療は困難であり、治療方法としては、驚くべきことに(本当にびっくりした!)健康な人の便をチューブ等で腸内に注入するらしい。

ざわ・・ざわ・・ (最強伝説黒沢©)

ざわ・・ざわ・・ (最強伝説黒沢©)

だが、この治療も患者さんの病状によっては負担が大きすぎ不可能なこともある。(精神的ショックもあるんじゃないだろうか・・・)

その対策として、カナダのカルガリー大学の感染症専門家の発案したものが、表題の薬である。
健康な人間の便から抽出した腸内細菌をカプセルに封入し、経口投与するのだという。
カプセルはゼラチンでコーティングされ、胃では溶けず、腸まで達するように作られている。

32名の患者さんのうち、31名はこの薬の投与で治癒したそうだ。

ならば、ラボで腸内細菌だけを培養すれば・・。誰もがそう思うだろう。
研究者も、患者もそう願うだろう。

だが、33種類の腸内細菌を培養し、1つにする。
これは、非常に高コストにつくそうだ。
対して、「朝の贈り物(黒沢談)」は容易に入手可能で低コストだ。
とても人工培養物ではコスト的に太刀打ちできない、と研究者は語る。

天然より、養殖の方が価値が高い稀有な例!

天然より、養殖の方が価値が高い稀有な例!僕は高くても養殖がいい!

いや、そういう問題ではないだろ・・と言いたいのだが、この話はこのへんで終わりにしておこう。

さて、自分で書きながら一体何の話題を提供するブログがわからなくなってきた・・・。
ガジェットブログかと思って読んでいたら、突然この記事に出会った読者の方には謝るしか無い。

あまりにも衝撃的な記事だったのでつい紹介してしまった。
まあ、バイオガジェット記事ということで許して頂きたいのである。

 

※なお、詳細を知りたい方は以下のリンクから。
Faeces-filled pill stops gut infection (Nature doi:10.1038/nature.2013.13885)






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