Steamで、「Surgeon Simulator 2013」というゲームを買った。
名前こそ外科医”シミュレーター”となっているが、とんでもない。ブラックユーモア全開のアクションゲームである。
極力、直感的に操作できないようにインターフェイスが調整されていて、マウスをどんなに緻密に動かしても、さながら泥酔した不器用な外科医のような動きをする。
PTA大激怒、子供にやらせたくないゲームランキングがあれば、上位にランクインするのは間違いない。
(↓公式の動画からしてこれ)
医療シムゲームの歴史は結構古い。
古くは1988年に出た外科医シム「Life & Death」、そしてその続編の脳外科シム「Life & Death2 the brain」などがある。
麻酔をしないでメスを入れてしまうなど、素人が執刀するため、とんでもない医療事故が起きるゲームである。
この2作もブラックユーモア臭は凄いが、一応は医療をマジメにシミュレートしようという意気込みは伝わってくるゲームだった。
また、EA Gamesが10年ほど前に発売したPCゲーム、衛生兵シム「Combatmedic」。
このゲームは今も手元にあるが、バイタルサインの確認から症状に応じた適切な処置を取る必要がある(しかも時間・機材の限られた戦場という制約下で)非常によく出来たシムだった。
さて、PCの医療を題材としたゲームはこのCombatmedicを境に、上述のSurgeon Simulator 2013までパッタリと途絶える。
そのSurgeon Simulator 2013も医療風の味付けのアクショントンデモゲーである。
FPSやRTSなど他分野のゲームがグラフィック、物理エンジン共に飛躍的な進歩を見せる中、新たに真面目な医療ゲームは出てこない。
需要が全くないのか、それとも何かタブーのようなものがあるのか。
ライフアンドデスの現代版を待ち望んでいるのだが、一向にそのような医療シミュレーションゲームの開発の話すら出てこない。
現在の3Dエンジンや物理エンジンだとリアルすぎて世界中の医療機関、PTA、警察からフルボッコにされるのかもしれない。
そんな事を考えながらいろいろ調べていたら、真面目な医療の世界で使う患者シミュレーター(マネキン)はなかなか凄い事になっていた。
彼の名は「Ceasar」。
CAE healthcareという会社の作っている、傷病兵など一刻を争う重症患者のシミュレーターだ。
このマネキンは、しゃべり、瞬きして、呼吸し、脈うち、出血(!)する。
タブレットやPCとワイヤレスで連動し、バッテリーで6時間駆動する。(パンフレット[英文/PDF])
にわかに医療業界のシミュレーション事情について興味が湧いてきてしまったので、引き続き調べてみようと思う。