「世の中に必要な人間となれ、世の中に必要なものこそ栄える」
これはカセットコンロでお馴染み、イワタニの企業理念だ。
ただただ、渋い。
この剛健な企業理念にふさわしく、イワタニの生み出す製品は質実剛健でとても気に入っている。
カセットコンロ、たこ焼き器、ミルサー・・、我が家にはたくさんのイワタニ製品がある。
中でも愛用しているのが、「カセットガスジュニアバーナー」
もう15年以上愛用しているアウトドア用のコンパクトなストーブだ。
風に強く、大火力(1Lの水が約4分で沸く)。そして、燃料がどんな小さな町の商店でも間違いなく入手できるカセットガスが使用可能という素敵な奴だ。
↓こいつ(これもイワタニ・・)を求めて、ゾンビのごとく街をさまよう必要がないのだ。
この素晴らしい商品群を世に送り出しているイワタニが、またひとつやってくれた。
カセットガスで動くガスファンヒーターが登場したのだ。
今までもカセットガスを用いた暖房器具はあったものの、発熱体が熱を発するだけの機能にとどまっていた。
今回登場したカセットガスファンヒーターは熱電素子を用いて、温度差で発電しその電気でファンを回すため電源なし、完全コードレスで使うことができる。
このブログで何度も取り上げている発電ストーブ、BioLite CampStoveが発電した電力を燃焼を促進させるためのファンの動力として利用していたのと同じ仕組みである。
持ち運びができるので、非常災害時やガレージ、真冬の浴室などを一時的に暖めるとか、機動力(4.7kgと軽量)を活かして活用できそうな感じである。
惜しい点は2つ。
1つ目は値段。希望小売価格が税別3万円と高価なこと。普通のガスファンヒーターの1.5~2倍の価格だ。
まだ実売価格がわからないのでなんとも言えないが、この価格帯のままだとホイホイ買う人はそれほど多くないはずだ。
位置付け的には補助暖房なので、メインの暖房機器と最低でも同価格帯、逆に安いくらいでないと厳しい気がする。
また、地方自治体などが災害時の非常機材として手を出すにも帯に短したすきに長し。避難所に指定されるような公共施設なら灯油ストーブやある程度の燃料備蓄はあるだろうし、燃費でも灯油にはかなわない。
2つ目は、内蔵のファンを回す以外に発電した電力を活用する機能が無いこと。
前述のBioLite CampStoveはUSB外部出力を備え、スマホの充電やUSBライトなどに給電することができたのだが、カセットガスファンヒーターにはその機能がついていない。
発電した電力でファンヒーターのファンを回すので一杯一杯なのかもしれないが、実に勿体無い。
もしUSBの外部出力機能が付けば「災害時の電源確保」を声高らかに謳うことで売上も変わってくると思うのだ。
この点が実に残念である。