VHSとベータ、HD DVDとBlu-ray。
繰り返される規格争いは、ガジェットの進歩を加速させる原動力だが、また犠牲者も多数生み出してきた。
古くはベータビデオや3DOを買い、悲嘆にくれた僕の父。
最近ではプラズマテレビとHD DVDを買い揃えていた同僚。
彼らの痛みを血肉とし、技術は進歩してきた。
選択を誤った人柱が無残に散乱する家電市場はまさに戦場である。
現在、無接点充電規格の分野でも、日本でも馴染み深く、最近ではNexus7が対応した無接点充電方式「Qi」と、北米を中心に展開を進めている「Powermat」という2つの規格が火花を散らしている。
日本では馴染みのないPowermatだが、北米ではスターバックスや、マクドナルドの店舗などで、充電器が埋め込まれた席が登場するなど、勢力を広げつつある。
また、bloombergによると、GM(ゼネラルモーターズ)の2014年モデルの車で、Powermat規格の充電パッドの搭載が始まるとのこと。
無接点充電規格で勝者となるためには、家庭での充電器の普及はもちろん、外出先で気軽に使える充電スポットを、自規格で固めてしまうことである。
Powermatが、がっちりスタバやマックとの提携を固めてしまう前に、Qiが対抗策を取れなければ、この先、苦しい状況になりかねない。
さて、僕はQi陣営に肩入れしており、身の回りのガジェット充電ソリューションはQiで固めてしまった。
この戦いに決着が付く数年後。
そこには人柱となった僕の屍が転がっているのか、
それとも規格の覇者として無接点充電を堪能しているのか。
結果に注目していただきたい。