昨日、あるイベントで発売前のEPSONのヘッドマウントディスプレイ、モベリオに触ってきた。
既に、「EPSONのヘッドマウントディスプレイ、”モベリオ”が歩む修羅の道」「モベリオがこの先生きのこるには?」でも発売前の雑感を書いたが、今回2世代目モベリオの実物に触れたのでその感想を書いておきたいと思う。
今月末に発売されるのは、2代目モベリオ。(初代モベリオのレビューはこのサイトに詳しい。)
半透過のヘッドマウントディスプレイといえば、Google Glassが有名だが、あれの両目版といった感じだ。
2代目は、あまりにもゴツかった初代モベリオに比べ、ほっそりとした外観となった。
公式のプロモーション・ビデオを見ても、装着した時の姿がだいぶマシスマートになっているのがわかる。
僕はメガネをかけているのだが、メガネをかけたままでも装着感は申し分ない。
メガネに合わせてノーズパッドが調整できるようになっている。
肝心の画像は思った以上に明るく鮮明だ。初代モベリオを家電量販店でちょっと試したことがあるが、比較してもくっきり明るく感じる。
映像をみたまま、展示ホールの明るい照明の方を向いてみたのだが、動画が見難くなるなどの問題は全くなかった。
また、3D映像もしっかり飛び出て見える。SONYの不透過型ヘッドマウントディスプレイも3D対応だが、EPSONのも両眼のため立体視が可能だ。
半透過での立体視は不思議な感じで、いかにもSFといった趣だ。
操作は有線で繋がったタッチパッド(トラックパッドのようにカーソルが操作できる)で行う。
操作感もいいのだが、このタッチパッドが個人的にウィークポイントになると感じているのだ。
Google Glassは半透過型の単眼ディスプレイを備え、ワイヤレスで移動しながらの使用に特化したコンパクトな造りだ。
一方、モベリオを移動時に使うにはケーブルと操作パッド、バッテリーを引き回さなくてはならない。
次に、先行しているSONYのヘッドマウントディスプレイは両眼不透過型で、移動は全く想定せず部屋での動画閲覧、ゲームに特化した没頭仕様だ。
それと比べると、モベリオは画素数でちょっと不利だ。(SONY HMZ-T2: 1280×720 モベリオ:960×540)
また、半透過という特性はゲームや映画などでは没入感としてはマイナスになる。
以前の記事でも書いたが、この両眼半透過に飛びつく層はなかなかニッチだと思う。
モベリオは、産業・軍事用途など、実用一辺倒な層を狙うべきであると改めて感じた。
↓活用イメージ!
「クアッドコプターに付けたステレオカメラからの画像と、機体を見ながら操縦する」などの特殊用途には持ってこいだと思う。
Ar.Droneのパロット社等とコラボしたら爆売れする可能性もあるかもしれない。
風録発電のタービンやら、高層建築物のメンテナンス時にドローンを飛ばし、モベリオで立体画像視を点検するなどの用途も想定できる。
次に静的な状況での利用可能性を感じるのが、医療機関とのコラボだ。
例えば歯科の診療中にマイクロスコープと接続して、患者への説明に使ったり、治療中に映画を流すのもいいかもしれない。
半透過という特性から圧迫感なく装着してもらえるだろう。